安倍晋三首相の米議会演説に学ぶ、英語スピーチ

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Abe Shinzo By TTTNIS

2015年4月29日、安倍晋三首相が歴代の日本の総理大臣として初めて、米国連邦議会の上下両院合同会議におい­て演説を行った。

当然のごとく批判もあったようだが、英語のスピーチとしては、多くの日本人が参考にすべき点が見られた。是非チェックして欲しい。

まず大前提として、以下をお伝えしたい。

□英語は日本人にとって、母国語ではない
□それ故、全員が流暢に話せるとは限らない
□日本語訛りでも、通じれば全く問題無い
□多少噛んでも、通じれば全く問題無い
□日本人として、堂々と英語を話そう

日本人だけが訛っているわけではない。日本人だけが不慣れなわけではない。流暢に話せれば勿論それがベストだが、重要なことは、大切なことが伝わるかどうか。

だから、少々言葉が詰まっても、カンペに強調部分や盛り上げ指示が書かれていても、伝えるための準備が充分であれば問題無い。準備と練習は大切だ。

安倍晋三首相の英語演説に学ぶ3つのこと

安倍晋三首相の演説から、多くの日本人が参考にすべきスピーチのポイントを3つご紹介したい。(これらは英語に限らず、日本語のスピーチにも活用できる。)

1:ターゲットを明確にする
2:主張を絞って構成を作る
3:緩急を付け全身で強調する

それでは個々についてお伝えしたい。

1:ターゲットを明確にする

ターゲットを明確にする

今回、聞き手は当然アメリカ。安倍晋三首相の演説は、対アメリカの姿勢が非常に明確だった。

アメリカや日本以外も演説の内容に注目していただろう。しかし、貴重な45分の時間を占有している目の前の人たちとその国民に対して話すのは当然だろう。

中国系・韓国系アメリカ人へは配慮すべきと思うが、未来を見据えて建設的な対話が可能で、国際法・人権・自由への尊厳を重んじる人たちに集中して良い。

演説の中でも牽制していたが、他の知的財産を侵害し、国際法を軽視したような行動を取る、独断的な人たちとはチームなど組めない。

2:主張を絞って構成を作る

主張を絞って構成を作る

安倍晋三首相の演説のタイトルは、「希望の同盟へ」。演説は終始、この1つのテーマを軸に話された。

アメリカによってもたらされた民主主義から日本が得た恩恵、安倍晋三首相の個人的な経験談、アメリカと日本のリーダーシップによって成し遂げるべきTPP、アジア太平洋地域の平和と繁栄、女性の人権と更なる活躍など様々な観点から、日米同盟についてフォーカスして語られた。

そして、演説の終盤、東日本大震災が発生した時に米軍が行ってくれた緊急救援活動「トモダチ作戦」に言及し、次のように述べた。

米国が世界に与える最良の資産
それは昔も今も将来も 希望であった
希望である 希望でなくてはなりません

結論として、アメリカと日本で力を合わせ、世界をより良くしていく「希望の同盟」をより強固にしようと伝えた。主張が絞られ、構成が明確な演説だった。

3:緩急を付け全身で強調する

緩急を付け全身で強調する

最後に、安倍晋三首相の演説では、英語のスピーチにおいて非常に重要な2つのことが実践されていた。

□声とストーリーの緩急による強調
□ボディーランゲージによる強調

英語のスピーチでは、聞き手が退屈しないように、声のトーンや話す内容の深刻さで、話に緩急を付ける。

安倍晋三首相もそれを上手く実践していた。最初の9分は少しフランクにジョークを交えながら、次の数分間はメモリアルでの想いをゆっくりと静かに伝えた。

その後も内容に応じて声のトーンを変え、「民主主義・変化・前進・アジア太平洋地域・平和・未来・信頼・友情・希望・同盟」などのキーワードを強調した。

また、ボディーランゲージも必要に応じて活用していた。日本人はスピーチを行う際、この点について相当注意が必要だ。棒立ちでは、相手に想いが伝わらない。

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最後に:ジョークは高等技術

ジョークを入れたいと思うかもしれないが、最初は止めておこう。

なぜなら、ジョークは高等技術だからだ。日本語でさえスベる人が、外国語で笑いをとれるはずがない。

また、世界中には各国特有のリズムや笑いのパターンがある。日本語でおもしろいと感じたことを単に翻訳しても、他国の人に笑って貰えるとは限らない。

まずは、内容を詰めて、何度も練習しよう。経験を重ねてトレーナーを付けた時は、ジョークに挑戦しても良いかもしれない。ユーモアのセンスがあればだが。

まずは、今回ご紹介した基本的な3つのポイントに注意しながら、共に改善していこう。世界は、あなたを待っている。